諸見民芸館は1971年10月に開館し、戦前、戦後の農具、民具や生活品などがおよそ1万点も展示されています。多くの展示品を近くで観ることができ、歴史・文化を感じる空間です。
興味はあるけど、まだ足を運べでいない方のために
今週は諸見民芸館の魅力を紹介したいと思います。
館長の伊禮さんにお話を聞きました。

 

伊禮吉信(いれい よしのぶ)

プロフィール
★伊禮さんのここがすごい❢
コザ出身、諸見民芸館の2代目館長、50年間民芸品を集め続けるコレクター。かつてコリンザで2年間レコード展示館を経営、レコード7000点以上所有する音楽好き。できる限りコザをPRしたいコザ愛好家。

Q&A

Q.諸見民芸館の成り立ちを教えてください。
A.父は防衛隊で沖縄戦を生き残り、戦争から帰ってきて、農業をしていました。歳を取るにつれて、古いものがどんどん捨てられていくのを見てるともったいないかなと思うようになって、いつか何かの学習や将来の子供達に見せることができるんじゃないかと集めていました。
それが10年15年経つといつの間にか1500点以上貯まったんです。自分が20歳になる頃には、もう置く場所がなくなっていました(笑)。なので実家から近い場所で、畑地に本格的に3階建ての民芸館を建てました。そうすると建物が大きすぎて展示物は1500点以上ありましたが、父から小遣いをもらって、弟と一緒に時間さえあれば各地域を歩いて、「要らないものだったら譲ってください!」という感じで10年20年やってきて、現在は10000点以上の莫大な数になりました。

Q.諸見民芸館の魅力を教えてください。
A.うちの民芸館というのは北部や離島など一般庶民が使っていた生活必需品を中心に集めてきました。戦争が終わって、沖縄戦でたくさんの建物が焼かれたので、数えきれないほどの物が無くなってしまいました。それでも一般の人々は生き残るために戦時中僅かに残った残骸で鍋などいろいろなものを作って生活を成り立てました。そういう理由で民芸館には終戦直後に廃材で作られたいろんな道具類が豊富です。博物館の方が見てもこんなに数を所蔵しているところはないと言ってくれました。灰皿、アイロン、または木で作った道具などの庶民的な物が多く、灰皿一つにしても驚くほどの数を所蔵しています。これは諸見民芸館の一番の魅力だと思います。

民芸館の外観。手前は事務室で、奥にある建物が本館です。 

入口近くの昔の看板。タイムスリップした気分。

電話の変遷を楽しめる。

昔の農具が重なるほどの数。圧倒されますね~

設立当初の諸見民芸館の写真。

一階には古い農具、生活品と戦争遺留品を中心に展示品が置かれています。

2階は食器、昔の玩具や通貨などが展示されています。

3階は琉球王朝時代の陶器が多く展示されています。

展示品には手書きの説明文もあります。より詳しい説明を聞きたい時は、優しい伊禮さんに聞いてください。なんでも答えてくれますよ。

また、「作品に手をふれないでください」を注意書きがありますが、伊禮さんに確認をとれば触ることができるかもしれません。当時の物に触ることができると貴重な経験になりますので、ぜひ伊禮さんに聞いてみましょう。

ここでちょっとクイズを出したいと思います。
Q:写真の中のものはなんでしょう?
答えはぜひ諸見民芸館で探してみましょう。

すごくきれいな画ですね。
この画はなんと伊禮さんがご自身で描いた水彩画なんです。
来年(2021年)諸見民芸館50周年の記念で、カレンダーを限定50部発行するようです。タイトルは「幻のコザ1950年~60年」、同時に原画展も開催するように計画しています。

諸見民芸館は本当に歴史マニアにとっては天国かもしれません。じっくり見ると1日かかりそうです。お爺世代の物も孫に見せて知ってもらうことができ、世代を超えご家族で一緒に楽しめますね。
また、諸見民芸館は企画展の協力や撮影の協力などで展示品の貸し出しも可能です。インタビュー中もとても優しく対応していただいた伊禮さん。その点についても相談に乗ってくれるそうですので、気軽にお問合せください。

諸見民芸館
場所  沖縄県沖縄市諸見里3-11-10
電話番号 098-932-0028
営業時間 10:00~17:00 ※不定休
入場料 一 般 300円
    中高生 200円
    小学生 100円

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